台風一過の多摩川
今年の強大迷走台風10号には日本中が長時間随分雨風に悩まされた。そしてその被害は従来の台風とは違って予想もつかぬものだった。私の住んでいる近くを流れる多摩川も支流を含めて水嵩が増し、警戒警報まで出されニュースを賑わせていた。台風の影響がなくなってから川の様子を確認に行ったところ、意外にも5年前の台風19号の時ほどには水嵩は増えてはいなかったようだが、それでも岸近くの灌木も含め河川敷の植物はみな川下側になぎ倒されて泥とゴミをかぶっていた。そして、河川敷にはあちこちに水溜まりができていた。
因みに、次の写真の手前に写っているステンレス製の手摺は土手から河川敷に降りる階段に設置されているものだが、以前のものが5年前の増水のため土台から完全に破壊された後、頑丈に設置し直されている。今回は、幸いにもそこまで水位は高くならなかったということだ。
この日(9月2日)はまだ余波が残っているのか依然風は強い。したがって、チョウはあまり見られなかった。これではチョウはまともには飛べそうにない。そんな中で出会った数少ないチョウです。彼らは、どこでどのように台風をやり過ごしたのだろう。
ツマグロヒョウモン
モンキチョウ
ベニシジミ
(Henk)
狛江側も土手の斜面までは水が来ていないようでしたが倒れた木は沢山ありました。花も減ってしまったせいなのかチョウは少なく感じました。
台風の影響で形が変わった河原でモンキチョウが産卵していました。
あさぎさん
今回の増水でも、河川敷を棲息場所にしているものは、産み付けられた卵・幼虫・蛹などが確実に被害を受けていると思います。4年前の多摩川大増水の時は、ツマキチョウやギンイチモンジセセリなどがここでは絶滅してしまったかと一時悲観的になっていました。しかし、彼らは意外に生命力が強く、2年ほどかかりましたが見事に復活してきた実績もあります。一見か弱そうでもチョウは逞しい!自然現象(災害)よりも怖いのは、むしろ人間による環境破壊ではないでしょうか。人間は自分では意識せずに自然を徐々に破壊しているのかもしれません。