渡りの季節 アサギマダラ


今月の初め、紀伊半島の南端近くに住む友人Oさんから今年もまたメールをもらった。アサギマダラの渡りの季節となって、今ちょうど集団で飛来しているという。これが一緒に送ってくれた写真だ。
アサギマダラは長距離の渡りをすることでも有名なチョウだが、日本の各地(多くは西半分の地域)にはアサギマダラが渡りの途中に決まって立ち寄る場所がある。この友人の住むところにもアサギマダラが好むフジバカマなどの花が自生しており、渡りのコースにあたっているようだ。それに加えて、その近隣の方々はもっと多くのアサギマダラを呼ぼうと、畑にさらにフジバカマを植えてチョウを迎えているという。私から見れば羨ましい話だ。大群のアサギマダラに囲まれてみたいものだ。そして、アサギマダラはここで一休みしたら、さらに南へ南へと渡っていくのだ。
渡りのコースとしては大分県の姫島というところも有名で、残念ながらまだ行ったことはないが、たくさんのアサギマダラが海を越えわたってくるという。海を越えるということでは、アサギマダラは大変な記録を持っている。遥か台湾、さらにはもっと南方まで海を越えて飛んで行っている記録がある。私が読んだ一昨年11月16日付「北日本新聞」の記事によれば、富山県朝日町から台湾の離島まで渡り、そこで捕獲されたアサギマダラの翅に記入されたマーキングからそれが証明されたというもの。その移動距離2,300kmという何と偉大な記録か。さらに、記事では10年以上前に和歌山県から香港まで(2,500km)というのが国内最長記録と伝えている。あの僅か 0.25g 程度(アサギマダラ4頭分で、やっと1円玉の重さ)の小さいチョウが殆ど島の無い荒海を越えて飛んで行けるとは。
他に渡りをするチョウとして世界的に有名なオオカバマダラというチョウは、メキシコとカナダの間を世代交代を繰り返しながら往復の移動を繰り返す。ただし、こちらは陸上での移動なので、休息の場所には不自由はしない。それと比べ、休息場所が殆どない広い海原を渡るのだ。
私自身以前何度か信州の入笠山で、そこの花畑で多くのアサギマダラ(それ以外にもいろいろなチョウはいるが)が優雅に舞う姿を見て感激したことはあるが、渡りのコースではそれどころではなかろう。時期になると次から次へと渡ってくる。その光景を想像するだけで羨ましさが増してくる。
(Henk)
参考 蝶図鑑 アサギマダラ

