多摩川河川敷のヤナギ
私が住んでいる近くの多摩川はいわゆる中流域にあたり普段は広い河川敷の中を細く流れているだけだが、たまに台風などで大雨が降ると流れが一変し両岸の堤防まで川幅一杯に濁流となって流れることがある。次の写真は4年前の台風の時の増水した様子。この時は既に水位はだいぶ下がってはいたが、前夜半には危うく氾濫寸前となっていたようだ(草が茶色に変色しているところまで水をかぶっていた)。
その時には河川敷に生えている多くの植物は殆ど根こそぎ掘り返され流されたようだ。しかし、そんな中でも一部のクルミやヤナギは草に比べてしっかり根を張っていてそこにとどまり続けている。大増水の後の春になると、河川敷の植物の種類が大きく変化してしまっていることに気付く。「これまではこんな植物は見なかったのに・・・。」と言うほどに変化する。おそらく上流からいろんな植物の種子などが運ばれて来ると同時に、以前からあった植物はさらに下流へと押し流された結果だろう。濁流に耐えたヤナギではあるが、何本かは根元を抉られて大きく傾いている。
今年の春先にはそんなヤナギの幹で越冬していたコムラサキの小さい幼虫を見つけ、はじめて飼育してみた(参照:「コムラサキ越冬幼虫 目覚め」)。夏場にはそのヤナギが出す樹液を目当てにいろいろな昆虫が集まってくる。コムラサキ・ゴマダラチョウ・アカボシゴマダラ・スズメバチ・カナブン・ハナムグリ・クワガタなど。クワガタだけでもノコギリクワガタ・コクワガタ・ヒラタクワガタなどが見られ、彼らもコムラサキと同様、このヤナギで一生を送っている。
3頭のコムラサキがヤナギの樹液を舐めている。
コムラサキとゴマダラチョウ。スズメバチには要注意。
アカボシゴマダラはここの常連。
ヤナギを揺すると何頭もクワガタが落ちてくる。このノコギリクワガタは死んだふりをしている。
倒木となってしまってもヤナギはクワガタの幼虫の成長を支え、成虫にも越冬する場所も提供している(参照:「クワガタを掘る人」「越冬していたコクワガタ」)。
(Henk)
参考 蝶図鑑 オオムラサキ ゴマダラチョウ アカボシゴマダラ

