草刈りで環境激変

我々がやっているチョウのトランセクト調査も丸3年がもうすぐ終わろうとしている。
12月に入ると、死期が近いものがわずかに残っているか、一部の越冬するものが天気のいい日に日光浴に出てくるだけで、実質上の調査終了の時期となる。調査のコース中には草原・林縁・林間などの特色ある部分が含まれているが、草原にあたる部分はいつ草刈りされるのかで、その前後でチョウの数に大きく差が出る。これはある程度致し方ないことだが、今年は多摩川土手の草刈りの時期が大きくずれて11月になったため大きく影響を受けた種類がいる。例年だと10月中旬から11月上旬にはコセンダングサ・セイダカアワダチソウなどにたくさんのチョウが群がって、カウントするのが大変な状況なのだが、今年はそれらの草が11月に入って刈られたため最盛期を迎えていたチョウの姿が一挙に消えてしまった。別に死に絶えたわけではなく、結果的に他の場所への強制移動を強いられただけのことだが、実際草刈りの前後で環境が激変してしまったということだ。特にイチモンジセセリ・チャバネセセリ・ウラナミシジミ・キタテハなどはその直前には1時間歩いただけで優に数10頭以上、時には100頭を超えたこともあるくらいだが、それが草刈り後の今はわずかに数頭を数えるだけ。ということで、調査する我々にとってはコースを調査中に草をかき分けて進む必要もなく非常に歩き易くなり、さらにコセンダングサなどの草の実が衣服に付着することもないので快適なのだが、やはり、なぜかしっくりこない。
冒頭の写真が草刈り直後の多摩川中流の右岸。堤防がずっと向こうまで見晴らしよく見える。この斜面には背丈ほどに草が茂っていて、我々には難所であったが、チョウたちにはまさに天国だった。

途中この斜面で出会ったキタテハ。挨拶代わりに手乗りをさせてみた。

(Henk)

参考 蝶図鑑 キタテハ 

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