我が家のヤマトシジミ(1)
我が家は15階建ての建物の4階で、南側のベランダにはいろいろな植木鉢が並べられている。そのうちの一鉢に、根絶が難しい厄介な雑草カタバミが生えだし、早めに抜かねばと思っていた。そんなある日、ふとベランダを見ると小さなヤマトシジミが飛んでいる。1階の南側に面したよく陽の当たる通路脇にはたくさんカタバミがはえており、そこにはたくさんのヤマトシジミがいるので、おそらく4階程度なら軽く上ってきたのだろう。見ていると、植木鉢の花も咲いていないカタバミに止まりゴソゴソしている。さては、産卵か?と思い、近づいてみたのだが、何度も葉に止まったりはしているがよくわからなかった。

しばらくしてチョウがどこかへ消えた後、じっくりカタバミを調べてみた。確かに、そこに、あった! カタバミの葉に白い扁平な饅頭型のごく小さなヤマトシジミの卵らしいものが1つ産み付けられていたのだ。それがこの写真だ。

1階のカタバミ群落ではヤマトシジミの写真を何度も撮ったこともある。ついでにと、ほぼ地面にへばりつくような恰好をして卵や幼虫を探してもみたが、これまで見つけることはできなかった。しかし、偶然にも我が家にいてこの卵を発見できたのだ。これでヤマトシジミを飼育できるかもしれないと思い、先ほどまでは抜いてしまおうと思っていたカタバミだがここは抜かずに様子を見ることにした。
その卵は観察し始めて僅か4日で、卵の真ん中が空っぽになった殻だけが残っている。しかし、肝心の孵化したはずの幼虫がどこにも見当たらない。
卵の大きさからして幼虫もかなり小さく、ついに探すのを諦めていた。数日して念のため見てみると、カタバミの葉にまさに虫が食ったような筋がいくつも見られた。葉の原型はそのままにして葉の裏面だけを齧っているので、やはりどこかに幼虫はいるに違いない。そして、その後も葉にはどんどんこのような喰い痕が増えるが、依然幼虫は見つからず。殆ど完全な葉が残り少なくなった時点で、やっと老眼でもわかる程度の小さな小判型の幼虫がいるのを見つけた。

それも3ついた。卵は1つしか確認できていなかったが、葉裏などに最低3つの卵が産み付けられていたということだ。そこで、その幼虫がいる植木鉢のカタバミを根こそぎ引き抜き、別の容器に移し、必要に応じて1階から新しいカタバミの葉を採って来ることにした。結局、このカタバミは引き抜かれる運命にあったというわけだ。果たして、無事にこの幼虫たちの羽化まで見届けることができるだろうか、期待とともに観察を続けた。
(Henk)
参考 蝶図鑑 ヤマトシジミ

