長年の疑問氷解!
これまで少年時代のモンシロチョウの飼育から始まっていろいろなチョウの飼育をしてきた。しかし、最終齢の幼虫がどのように蛹に変身するか、その瞬間にはなかなかタイミングよく立ち合えていなかった。もちろん、四六時中見張っていればその瞬間は見られるわけだが、現実にはなかなかそうはいかなかったということだ。いつも気が付いたら蛹になっていて、脱ぎ捨てた最終齢時代の皮は小さく丸まって落ちていた。
一般的に言って、蛹になる前には幼虫は体を何かに固定して、前蛹という期間を過ごしたうえで、最終的に幼虫時代の皮を脱ぎ去り(これが最後の脱皮)、蛹の形になる。背中に糸を回して蛹になるもの、どこかに逆さまにぶら下がるもの、また葉っぱなどにくるまった形で蛹になるもの、種類によってその方法はさまざまだ。そんな中で、長年ずっと疑問だったことがある。それはアカタテハ・コムラサキなどのように幼虫に大きな触角があるものが逆さまにぶら下がるものについてだ。モンシロチョウなどは幼虫に触角のような突起がないので簡単に蛹になれるだろうが、触覚がある幼虫の場合はどうなのだろう。実際、尻の先端を固定して逆さにぶら下がった蛹になった後を見ると、幼虫の顔が付いた抜け殻が落ちているが、一体どのような手順でその最期の脱皮をするのだろう。なかなか想像できなかったが、最近のコムラサキの飼育で、深夜出会ったが偶然にその瞬間に立ち会うことができ、その長年の疑問は一挙に氷解した。実際、床に就く前に何となくその気配を感じて観察を始めたところ、結局深夜零時を挟んで約1時間付き合うこととなった。
まずはその様子を順追ってご覧ください。
| 食樹であるヤナギの葉で、最終齢が蛹になる場所を決めた。ここに尻を固定するつもりのようだ。↓ | 体を葉っぱに固定して5月1日に前蛹となり、早くもその翌日には、もう頭部に変化が出始めている。↓ | それまで葉っぱを掴んでいた6本の胸脚を葉っぱから完全に離し、いよいよ最後の脱皮が始まった瞬間。↓ |
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| 頭部がやや膨らみ加減となり、幼虫時代の皮が後頭部で裂け、皮が全体に尻の方に徐々にしわ寄せが始まる。↓ | さらにしわ寄せが進む。幼虫時代の触角に位置にご注目。もうこの時点では、幼虫時代の触角の中は空っぽになっている。↓ | 頭部はさらに大きく膨らんで、触角は徐々に腹側に回り込んでいく。↓ |
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| しわ寄せがさらに進み、蛹の触角の部分が見えだした。↓ | 古い触角はもう腹のところまで押し下げられている。↓ | ほぼ幼虫時代の皮は後ろにたくし上げられまとめられてきた。↓ |
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| 最後に尻尾の先端にしわ寄せされた皮の固まりは、出来たばかりの蛹が自ら体を大きくブルブルと振り回し、振り落とす。↓ | 最後に落とされた幼虫時代の顔のお面をつけた抜け殻。↓ | 完成した蛹。↓ |
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(Henk)













