早すぎる覚醒
まだ2月だというのに、例年よりも少し早くコムラサキの越冬幼虫の覚醒が始まったようだ。
今シーズンY株ヤナギにいる60頭を超える越冬幼虫のなかで、2月中旬に既に11頭が早くも越冬の台座(幼虫は幹の割れ目に細かい糸を吐いて、そこで体を固定する)から姿を消している。そのうちのいくつかは自然死か鳥などの捕食による事故死が原因かもしれないが、それよりもむしろ何らかの理由で通常よりも早い覚醒があり台座を離脱したものと思われる。考えてみるに、これらの殆どの越冬していた場所が幹の南南西から北北西へと西側半分に面していて、正午からの太陽を浴びる場所であることが早い覚醒と関係がありそうだ。太陽が出ていれば外気温が10度程度でも幼虫のいるその幹の表面温度は直射日光のために軽く25℃を超えている。


11頭のうちのY38(南南西)という個体は、2月12日に背に太陽を浴びて大きく頭をもたげ、上半身を大きく反らす動きをしているのが観察された。このような覚醒時の行動(台座離脱前の準備運動)は例年春先(3月上旬ころ)見られるものだが、案の定翌々日14日には台座からその姿はなかった。
また、Y7(北北西)という個体は、2月15日正午には台座で越冬を開始した時の姿勢のままでじっとしていたことが確認されていたが、そのわずか2時間後に見るともうその場所には見当たらなかった。離脱したと思い周辺を探したところ、次の写真右下のY7から斜め上に13cm離れたY 65と記したところで再び幹の割れ目に入っているところが発見された(取り敢えず、新たにY 65としてマークはしたが、同一個体の可能性が大きい)。これも本格覚醒前の一つの過程と思われる。


しかし、問題はこんなに早く覚醒して樹上に上ってみても枝先にはまだ新芽が出る気配さえない。改めて樹上で新芽が出るのを待つことになるのだろうか。
(Henk)
参考 蝶図鑑 コムラサキ

