ヤマトタマムシの産卵
この日ついにヤマトタマムシの産卵の瞬間を捉えることができた。その場所は生田緑地のナラ枯れで伐採した木を集積してある場所で、そのあたりにはきらきら光る翅だけが散乱している。しかし、頭から胴体部分はどこにもなく、おそらく鳥が産卵に来たところを狙って捕食して、翅だけ食べ残したようだ。今年だけでもその場所で数十頭分の翅を拾った。さらに翅を拾っていると、ヤマトタマムシが飛来し、木の切り口を物色していたかと思うと、樹皮と芯材の境目に産卵管を突き立て産卵を始めた。タマムシ類の幼虫は木の見るからに硬そうな芯材を食べて成長し、木の中で羽化を済ませ、穴を開けて外に出てくるわけだが、卵から孵化したばかりの幼虫がどのように木の中心部にまで掘り進めるのかが気になっていた。いきなり硬い芯材のところは避け樹皮との境目を狙って産卵するのにはそれなりの理由があったようだ。
(Henk)