ついに目撃 羽化の瞬間

またまたクロコノマチョウの話で恐縮だが、9個の卵から飼育していたものの羽化の瞬間を見ることができた。この写真がそれだ。


これまでいろんなチョウの飼育をしていて、羽化の瞬間というのは何よりも気分が高揚するものだ。しかし、なかなか蛹が割れるところを見ることはできないものだ。羽化間近になってきていることは、蛹の様子から分かるのだが、その瞬間がいつ来るかまではなかなか予測が難しい。そして、何十分も、長いと1-2時間待つこともあった。カメラを構えてその瞬間を待っているのだが、ほとんどの場合が、ほんの何十秒かその場を離れた隙
に羽化が始まってしまう。羽化の瞬間を見事に見逃してしまう。セミやトンボと違い、チョウの羽化は非常に速いのだ。トンボやセミは蛹の殻が割れ始めてからでもゆっくり観察できる。脚などが全て蛹の殻から抜けるのに随分時間がかかるからだ。その点チョウは蛹殻抜け出すのにほんの数秒程度しかかからない。まるで、寝袋からごそっと抜け出すのに似ている。したがって、何十秒も眼を離してはいけない。もちろん、カメラをセットしてずっと回し続けていれば、それは問題ではないのだが、その瞬間を一発勝負でカメラで狙う時には難題中の難題ではある。


ともかく、この日は朝5時に起き、二つの蛹の羽化を待っていた。この個体の羽化より1時間早く別の個体が羽化したのだが、これは大いに油断した10分間のうちに蛹から出て翅を伸ばしてしまっていた。この個体はそれから約1時間後に羽化を開始したわけだが、朝早く1時間以上もカメラ片手に狙っていただけに感激はなおさらだった(大したことないのに、と思われるかもしれないが・・・)。
友人たちに聞いても、この瞬間を狙いながら、見事に裏切られることが度々だということだ。なぜだ? もしかすると、チョウは羽化を見られているのを気配で分かっているのか、それで裏をかくように人が見ていない時を狙ってさっと羽化を始めてしまうのか・・・。その後の羽化が完成するまでの様子が以下の写真だ。

(Henk)

参考 蝶図鑑 クロコノマチョウ

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