セイバンモロコシ(ジュズダマの代用食)

8月初旬にクロコノマチョウの卵を採って来て、ベランダで育てていた鉢植えのジュズダマを使って飼育を始めた。この鉢植えのジュズダマは一昨年クロコノマチョウを飼育していた時のジュズダマから落ちた種子から自然に発芽したもので、いつか役に立つだろうと鉢植えで育てていたものだ。しかし、野生に生えているものに比べかなり貧相な感じがする。という訳で、鉢植えはあっという間に葉を食い尽くされ、その後は家の近くのジュズダマを頻繁に採りに行くことになった。
下の写真で、手前に見えるものがそれで、葉はほぼ筋だけになってしまい、まだ新しい葉が伸びて来ない。その向こうに見えるのが花瓶に活けた萎れてしまったたジュズダマと新しく採用した代用食セイバンモロコシ。こちらは葉が長く、しっかりして見える。

なぜかジュズダマは水揚げが悪く、丁寧に水切りをしても二日と持たない。葉を食べ尽くす前に萎びてしまう。というわけで、エサ採りが大変になった。そこで、日持ちがしそうな代用食はないか考え、試しに多摩川土手にたくさん生えているセイバンモロコシを与えてみることにしたわけだ。同じように花瓶に活けてみると、ジュズダマよりもはるかに長持ちすることが分かった。

そのうち、クロコノマチョウの幼虫も萎びてしまったジュズダマから新鮮なセイバンモロコシに移動して食べ始めたのが上の2枚の写真だ。彼らも、同じイネ科の植物だから問題ないのだろう。これならいけそう。


全部で9個あった卵は全て孵化して、最初のうちは鉢植えのジュズダマで育っていたが、ジュズダマが不足し始め、そのうち2つの幼虫は餓死(おそらく)してしまったが、今は7頭が生き残っている。食べるものがなくなると、ベランダの床に降りてエサを探して這いまわっていた。

ただ、エサの補給は続けてはいたが絶対量の不足が響いたためか、生き残った幼虫の大きさがかなり違う。他を押しのけてわずかしかないジュズダマの葉をたくさん食べたものがいち早く蛹になったが、一番遅いものはまだやっと4齢になったばかり。エサの量によってこれほどの成長に差がつくものか・・・、やはり生存競争は厳しい。遅れていたものもセイバンモロコシに代えてからキャッチアップして現時点(9月1日)では蛹が3つでき、そして4頭の成長が遅れていたものも体が大きくなり最終齢にまで挽回している。もし今いる7頭が全て羽化できると、卵からの成虫までの飼育としては7/9という非常に好成績になろう。

今回飼育するにあたっては、エサの確保が如何に重要かということを改めて思い知らされた。

(Henk)

参考 蝶図鑑 クロコノマチョウ

 

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