アオスジアゲハの羽化
ちょっと変わったアオスジアゲハの蛹を見つけた。通常は超絶擬態ともいえるような形で蛹になるので、食樹であるクスノキの葉の上で蛹になったものは容易には見つからない。余程よく見ないと葉っぱに紛れて見つけるのはかなり難しい。しかし、この変わった蛹は、自転車置き場の鉄製のポールで蛹になっていた。もちろん、直ぐ近くのクスノキで大きくなったはずだが、蛹になる時になってなぜこんな人工物を選んだのだろうか。クスノキを離れる何か理由でもあったのだろうか。そのポールは確かに緑色には塗装されているので、蛹の体色と似かよっていなくもないが、はっきりと目立ってしまう。
発見当時:
その蛹を発見してから観察を続けていたが、徐々に蛹の中にアオスジアゲハの翅の特徴である黒地に青い筋が透けて見え始め、羽化が近いことが分かったが、それがいつなのか判断が難しい。
その後夕方近くに猛烈な雷雨があり、蛹も雨に散々叩かれていた。そんな後にまさかすぐには羽化はしまい、早くても翌朝かと思いながら、夜9時半頃に蛹を確認した。かなり黒ずんできているので、おそらく翌朝の羽化だろうと思った。
しかし、その予想は見事にに裏切られてしまった。
その夜は中秋の十六夜の月。偶然3時ごろ目覚めたついでに蛹の様子を見に行ったところ、羽化は既に終り蛹の殻だけになっていたのだった。薄暗い中、あたりを見回したがどこにもチョウの姿はない。あちこちに防犯灯はついてはいるものの真夜中なので辺りはそれなりに暗い。明け方まで待たずに、そんな時間帯に、しかも雨で体が乾ききっていないはずなのに羽化したということなのか。
(Henk)
参考 蝶図鑑 アオスジアゲハ