求めるものが違うと・・・

人間にとって住みよい環境。虫たちにとって住みよい環境。これは必ずしも同じではないことを見事に証明している場面に出会った。
数日前から、夕方陽が傾きかけた頃に同じ場所に姿を現すチョウがいた。近辺ではよく見かけるイチモンジセセリだ。あたりを旋回しながら高速で飛び、伸びた草の葉に止まって、しばらくするとまた飛び立つ。限られた狭い場所でこれを何度も何度もと繰り返す。自分のテリトリーを主張しているのだ。時々ライバルのオスが来ると猛然と飛び立ち追い払おうとする。2日間、そのイチモンジセセリを観察していたのだが、3日目に同じ場所に行ったところ、それまで活動場所にしていた草がザッとではあるが刈り取られてしまっていた。これは花壇にイネ科の雑草が生えていただけ(花壇の手入れができていなかった)で、それは花壇の手入れと称して人間の都合で早晩刈り取られることになっていたようだ。イチモンジセセリにとっては格好の活動場所・繁殖場所だったのだが・・・。

8月17日(雑草伸び放題) 8月19日(一応、草刈り後)

8月17日 草の上でテリトリーを張るイチモンジセセリ

8月18日 前日同様にテリトリーを張るイチモンジセセリ

実は、数年前にその場所に生えたイネ科の雑草に産み付けられていた卵を採り、イチモンジセセリとチャバネセセリの2種類を飼育したことがある。瓶に活けたエサの草が萎びてくると新鮮なものを補充して、羽化までさせたことがあるだけに、花壇の手入れではあろうが今回この時期の草刈りにはちょっと複雑な思いがあった。( 参照:「初めてのセセリの飼育」 「初めてのセセリの飼育(続)」 「この巣の中で冬を越そう」)
それはこのイチモンジセセリに限ったことではない。同じ敷地内にあるクスノキとアオスジアゲハの関係、ムラサキシジミとアラカシの関係、どれも似たような関係だ。植栽の定期剪定とチョウの産卵・生育時期がぶつかることが意外と多いのだ。また、多摩川土手のジャコウアゲハとウマノスズクサの関係も同じだ。ジャコウアゲハは今年は産卵時期と草刈りが見事にぶつかってしまったためか、これまでに全くジャコウアゲハの姿を見ない。お互い求めるものが違うと難しいことになる。

でも、雑草が伸びるのは速い。2-3週間もすれば元の木阿弥(失礼)。イチモンジセセリよ、その時にはまた戻って来い。

(Henk)

参考 蝶図鑑 イチモンジセセリ

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