早々と登場 ウラナミシジミ

この日は多摩川の河川敷を覆い尽くさんばかりの勢いで茂っているクズの葉の上で、羽化したての新鮮なウラナミシジミをたくさん見ることができた。どうしても秋口からのチョウという認識があるので、酷暑のこの時期に早くも発生するのか?という軽い驚きさえあった。先週同じ場所を歩いた時には1頭も見なかったので、わずか1週間での大きな変化だ。多摩川土手沿いの100m程度を歩く間に20頭以上を目撃。それにしても、ウラナミシジミは年々発生時期が少しずつ早まっているようにも感じる。ともかく、これから晩秋遅くまで彼らの天下が続く。

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夏場のチョウの野外調査というのもなかなか厳しいものがある。
まず第一に高い気温。今年は特に7月からいきなり35度以上の猛暑が続いており、通常ならば調査は午前9時か10時頃から開始するのだが、この日は少しでも涼しい(?)うちにと、思い切って8時過ぎに繰り上げてみた。しかし、それでも開始時点で気温は既に32度となっていた。
第二に我が物顔に繁茂する野草。2週間くらい前に草刈りがあったばかりだが、もう草は随分伸びている。草刈りされなかった所などは以前どこが通路だったか、踏み跡さえ全く分からないくらい生い茂ってしまっている。こういう鬱蒼と茂った所を好む種類は、草を刈り取られると途端に行く場をなくしてしまう。草刈りの前後ではチョウの種類・個体数に大きな差が出てしまい、何とも悩ましいかぎりだ。

そこで、調査を行っているコースの状況を一部ご紹介しよう。
右に見えるのは草刈りがされたばかりの多摩川の堤防の斜面。さらに左側は草刈りはされない。(多摩川は一級河川なので、国土交通省が年に2回、堤防内側の斜面部分だけ草刈りが行われる)。

 

1か月前、草刈りがされる前の状況はこうだった。全く前方が見通せないほどセイバンモロコシやススキの類、さらには大木化したイタドリやオオブタクサなどが早しのように(少し大袈裟か?)茂っていた。

 

この場所では少し前まではクズが一面に茂っていた。しかし、その後、アレチウリが進出してきて今やクズの上を完全に覆い尽くしている。この部分は厚さ1.5mほどの言わば二重構造になっている。この場所は一切草刈りがされない。

 

堤防の内側、河川敷の雑木林の間の小路なのだが、両側から草がせり出して来て、つい一週間前に歩いた跡さえ分からないようになっている。ここも草刈りはされないので、自力で草刈り鎌を振るい進むしかない。

(Henk)

参考 蝶図鑑 ウラナミシジミ

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