アカボシゴマダラの産卵
今年5-6月頃にはあまり見なかったアカボシゴマダラだったが、夏以降はよく目にするようになった。道路沿いの植え込みなどに混じって生えている実生の小さなエノキの葉に大小さまざまな幼虫も見られる。その観察をしているが最終齢の幼虫はいつの間にかいなくなるのだが、どこかで蛹になっているはずなのに蛹はなかなか見つからない。巧妙に場所を選んでいるようだ。
この日、蛹を探していると、そこへ偶然母蝶がやって来て、おもむろに産卵を始めた。そばに人間がいることなんかまったく気にしていないような振る舞いだ。それは植え込みの間に生えた高さ50cm程度の貧相な実生のエノキなのだが、ここには既に2-3頭の幼虫がいて、写真でも分かるように葉っぱにはあちこち食痕が見られる。早速、産卵行動を観察させてもらった。
枝を歩き回り、産卵場所を物色しているようだ。
産卵場所と決めた葉っぱは、なんと既に殆ど食い尽くされた葉っぱなのだが、なぜか気に入ったらしく、卵を1個産み付けた。
拡大すると、尾端にはまさに産み付けられようとしているエメラルド色の丸い卵が見える。
その産み付けられた卵はこんな具合だ。
アカボシゴマダラの終齢幼虫。丸々太っている。もうすぐ蛹になりそうで、適当な場所を探しているようだ。
(Henk)
参考 蝶図鑑 アカボシゴマダラ